2015年9月26日 Nittoの液晶市況悪化下での底力

Nittoの東京オフィスがIRも含め、大崎から品川の港南に引っ越したので、挨拶もかね、足元の状況と先日の新型磁石の件も確認するため、訪問した。駅からは、ちょっと歩き、右手にソニービルを見て、そびえ立つビルの26階にある。その窓からは眼下に品川からのレールと列車が見え、その先に、東京タワーやスカイツリーも見えカメラや鉄道好きには好立地である。まもなく、イノベーションセンターもできる予定である。

さて、1Q決算の後のコメントでは、http://www.circle-cross.com/2015/08/09/201588-日東電工-収益の多様化とnittoらしさ/ にあるように、「テープやM&M部門は好調だが、主力のオプティクスが液晶市況の悪化で苦しく、全体の営業利益(以下OP)は、会社計画をやや下回り、上期500億円、年間で1100億円程度、スマホやTVの調整が短期で終われば計画の1200億円は可能だが、調整が長引けば減益となる1000億円もありうる」とコメントしたが、実態は、少なくとも、上期は十分に強そうである。下期については、不透明感はあるが、上期の貯金やテープやM&Mの上ブレで十分に達成できそうであり、同社の底力を感じた。

上期までは堅調

テープ部門については、収益強化策が浸透し、安定的に二桁利益率、OP350億円はいけそうであり、M&MOP50-60億円は可能そうであり、見方は共有できる。

プリント回路は不振でやはり売上は未達のようだが、収益性が高く利益はそれほど落ちないようであり、プロセス部門も同様に、それほど落ちない。両方とも、情報機能材料部門より、驚くべきことに、まだ収益性は高そうだ。

情報機能材料は、1Qは売上994億円、TV偏光膜340億円、スマホ偏光420億円、タブレット等偏光120億円、ITO120億円と推測する。また同部門のOPは、TVがハイエンド大型向けに単価維持だが収益性はやや悪化、ITOも低下傾向だが、スマホが新製品効果もあり、130億円はあるだろう。2QTV横ばい330億円、スマホ450億円、タブレットは新製品効果で140億円、ITOも同じく、その恩恵で140億円、いずれも収益性が改善、部門全体ではOP140億円はいくのではないか。

ゆえに上期はオプト全体では380億円も可能、テープが150億円、M&M30億強、全社消去をどう見るかだが、全社では計画520億円を上回る550億円はいくだろう。

問題は下期であり、上記550億円から引くと、650億円、やはり、スマホと円安次第だろうが、Q/Qで、3Qは横ばい、4Qは減益だろう。年間では、11001200億円のレンジだろう。ただ、オプト一歩足から、テープやM&Mに収益源が多様化していることは望ましい。

Nittoの経営重心

同社の経営重心分析は緒に就いたところだが、テープゆえに工夫が必要である。基本的にはユーザーのサイクルと、TVであれ、スマホであれ、台数の2倍になり、あるいは複数のフィルムを重ねるので、数倍になり、さらに、産業テープは更に桁数が上だろう。