2016年1月21日 揺れるセルサイドアナリスト業界

 

日経平均の暴落が止まらず、株式市場から資金が流出している。その中で、英バークレイズキャピタル証券が日本株から撤退を決めた。米の金利上げ、石油下落でオイルマネーが逃げ、当面、日本株は難しいと判断したのだろうか。まさに、株式市場に関連するセルサイドアナリストは冬の時代を迎えており、他業種に転職する例が後を絶たないという。かつては、ハイリスク・ハイリターンと言われたが、ハイリスク・ローリターンという。ランキング上位でも、年収は、かつての半減以下ときく。その中で、将来に夢を持てないとやめる若手が多く、補充やノウハウの継承が大問題らしい。

 

さらに、ハイリスクどころか、超ハイリスクになっており、さらに、最も重要な仕事のやりがいも失せつつあるようだ。ここ数年、そういう傾向にあったが、大きなインパクトを与えたのが業界を揺るがせた昨年秋の某外資系証券の事件である。簡単にいうと、IRへのプレビュー取材を通して判断したことを、レポートに書く前に、一部の重要投資家に配信していたという。これが法人上場の内部管理上問題ではないかと当局に指摘されたようだ。

 

プレビュー取材は、決算の少し前に可能な範囲で足元の景況感や業績動向を確認するもので、IR側は、もちろん業績がどうなるか、具体的な話はしないが、公表されている統計数字や、セグメント毎の強弱感は伝える。わかっていて、言わない場合もあるが、そもそも数字もしまっておらずわからない場合も多く、誤解や混乱する場合も多い。これをアナリストが分析するのだが、アナリストにはバイアスもあり、経験が浅い場合は、間違って「勝手に」判断して、それが外れた場合、「IRに騙された」という馬鹿も多い。法人情報の問題に加え、こうした誤解や混乱、さらに、これがショートターミズムの温床となっていることから、IR側でも、プレビュー取材を廃止するのが、大きな流れとなっている。

これは当然で、よい方向性だが、思わぬ副作用が出てきている。