2016年1月29日 京セラの説明会、下方修正を経営重心®から分析する

 

2917時からのテレコンに参加した。会社側出席者は山口社長と青木CFO、プレゼンも質疑も山口社長が回答。決算ピーク時であったせいか、質疑は2名と少なかった。

 

業績は再度の下方修正、売上1500014800億円、OP1100850億円、当期利益は税金関係で850900億円と上方修正。OP下方修正の要因は、セグメント別に、半導体で-50、ファイセラ応用で-20、デバイス-32、通信-58、情報-60、とセット側が大半。なお円安効果でOP50億円プラス。

 

セグメント別には、ファインセラでは、SPE向け、クルマ向けは堅調。半導体パッケージもスマホやクルマ向けLEDはいいが、単価ダウンが利益押し下げ、ファインセラ応用は工具いいが、ソーラーが厳しく単価ダウンが利益押し下げ、デバイスは、ディスプレイの営業権減損180億円と子会社AVXの特許関係費用50億円計上。通信ではPHSやローエンドが苦戦で赤字。通信では3Q4Qは売上同水準だが4Qに赤字拡大は在庫処分や販促費など。情報では単価ダウンと円安が利益押し下げ。

 

3Qでは、スマホ関連、中国景気減速が効いた。また、下方修正としては、セット側、特に通信が問題だとの認識であり、拠点の絞り込みが必要。このままではV字回復は厳しいようだ。半導体の調整は、SAW向けパッケージの価格低下、スマホ向けの秋からの調整で京セラのシェアが高いセンサー関連の生産調整が厳しくだぶつき気味。セットの回復は春先でも部品はもう少し時間がかかり来年度1Qまで引きずりそう。

 

なお、前回の説明会でのリストラ費用は、この営業権減損であり、また同時にディスプレイの広島工場閉鎖など子会社組織再編、3社を本社に統合。ただ、これらは来期業績には直接にはそれほど効かない。

 

長期業績低迷を脱するには、アメーバ経営2.0HD制導入、M&Aの見直しが必要