2016年2月1日 コニカミノルタの3Q決算説明会印象と経営重心

 

コニカミノルタの128日の決算説明会に出た。CFOの大須賀常務がプレゼン、IR白井氏が司会。セルサイド時代は、そもそも、旧小西六あるいはコニカと、ミノルタであり、担当ではなかったし、同僚と数回行った程度だろう。前職のファンド時代に、むしろ、投資という視点で説明会やスモールミーティングに参加、累計で1020回程度であり、見識もないし、理解も不十分である。事業が多岐にわったっており、富士フイルムと似ており、また、それぞれに面白いが、まとまりが無いような印象もあった。

 

ただ、技術屋であった前社長の技術への思い、合併前が、関西と関東でもあるハイブリッド感は、業績分析を別にして、興味深い。また、現社長は、IR経験も長いが、その時代の実績から、セルサイドアナリストからは評価が高い上、出身が兵庫県の柏原高校(実家に近く親類にもOBが多い)と聞き、さらに、東芝のメディカル部門売却にもファンドと組んでオークションに参加との報道もあり、関心を持っている。

 

今期業績下ブレ懸念は仕方ないが2016中計も容易ではない

 

 業績は、3Q累計で売上7623億円、OP416億円、NP265億円、3Qでは売上2551億円、OP134億円、通期は不変で売上10800億円、OP730億円、NP470億円。差し引き4Q3177億円、OP314億円は、季節性などは不明だが容易ではないし、質疑でも、3Qは数十億円の下ブレだが、それをカバーするのは容易ではなさそうだった。

 

ただ、4Qは、それなりに成約が近いパイプラインも多く、最後まで努力するようだ。ただ、12月末在庫も3.25ヶ月、1434億円まで増加、FCF-380億円。この在庫を年度末に1200億円に下げるようだが業績との絡みで大変そう。またTACフィルム年間売上計画は600億円だが足元のTV液晶市況などからは大変そう。1Q151億円、2Q141億円、3Q126億円で4Q差引き182億円は未達だろう。

 

印象に過ぎないが、OP600億円前後が無難なところだろう。むしろ重要なのは中計2016の売上1.1兆円以上、OP900億円、OP-FCF1000億円の達成だが容易ではない。M&A25社を実施し600億円を費やしたが、今期の売上貢献は250億円程度であり、これがどの位、来期に貢献するかである。

 

2018年度の中計 売上1.3兆円以上、OP1300億円は、景況感やTACの減速を考えると更に大変だろう。ただ、白色LEDや量子ドットTV向けバリアフイルム、ヘルスケア等の期待もある。あとは、M&Aの成否にかかっていよう。