2016年2月9日 ニコンの3Q決算(2月4日)

 

ニコンの3Q決算プレゼンを視聴した。今回は、東芝、シャープと重なり、説明会は出られず、質疑は不明。できれば、質疑も録音か要約を掲載してほしい。後日、個別でフォロー予定。なお、HPで主要部門の概要と部門トップのインタビュー記事があり参考になる。

 

 業績3Qは売上2247億円、OP145億円、NP102億円。精機はFPDが中古機など好調、映像も台数未達だがミックス改善、ASP上昇もあり、収益性改善。特筆すべきはインスツルメンツ黒字化。メディカルは赤字だがOptos社は黒字で順調。

 

業績はまずまず

 

通期は、売上85508350億円、OP340億円、NP220億円は不変、FCF60140億円。セグメント別では、精機は売上100億円、OP30億円下ブレ、半導体がArF液浸の新製品評価に時間がかかり1714台、FPD5051台。映像は、売上100億円減だがOP30億円上ブレ、カメラの市場見通しはレンズ交換1240万台、交換レンズ2060万本、コンパクト1920万台で不変だが、ニコンの台数を、同順に420410万台、600585万本で下方、コンパクトは620万台で不変。D500は予想以上の人気で生産が間に合わず、発売延期が背景。

 

インスツルメンツとメディアカルの布石に注目

 

インスツルメンツでは、セル・イノベーション会社が江東区に拠点を設けたこと、産業用X線非破壊検査分析のベンチャーの米Tribogenics社への出資が発表された。セル・イノベーション社は、ニコンの顕微鏡での細胞観察の歴史的実績のある画像解析技術をIPSCなど細胞関連に応用、再生医療向け細胞生産で実績のあるLonza社と提携、再生医療の実用化に前進した。インスツルメンツ部門は、マイクロスコープ・ソリューション事業と、産業機器事業が両輪だが、過去には、露光機を生み出すなどインキュベーション的な役割もある。キヤノンでも産機が注目点だが、ニコンでも、インスツルメンツとメディアカルが次の10年では重要だろう。