2016年3月4日 タムロンの決算説明会と中期展開

 

去る210日の決算説明会に参加した。説明会は、これまで同様、白井CFOが業績、小野社長が中期計画を説明、質疑は、主として小野社長が回答、白井CFOが補足というものだったが、今回で小野社長は退任、新社長として鰺坂氏が紹介され挨拶。

 

小野社長の14年、二度最高益更新と赤字なしは評価

 

小野社長は2002年の社長に就任、デジカメ市場の急拡大に伴い、業績を拡大、リーマンショックや3.11震災、タイ洪水などを乗り越え、円高対応、中国など現地化を進めてきたことは評価されていいだろう。本人の弁にもあったように、期間は14年と長すぎた感はあるかもしれないが、就任当時は、売上300億円、OP10億円以下(02年度は売上400億円、OP37億円)から、2004年度に売上633億円、OP72億円でピーク更新、2007年度にも売上682億円、OP88億円と再度ピーク更新、リーマンショック後の2009年度も売上499億円、OP23億円に止め、就任期間中、黒字を維持、リストラも無かったという実績は誇っていいし、幸福な社長だったと言えるだろう。

 

業績は不透明

 

 2015年の業績は売上785719億円、OP6646億円、NP4940億円と計画未達、セグメント別では、写真が売上595546億円、OP7255億円、レンズ売上4746億円、OP32億円、特機は売上143128億円、OP1714億円、交換レンズ市場が上期は底打ちの兆しがあったが下期息切れ、Xマス商戦苦戦で在庫2.1か月へ。写真部門は過去最高売上だがOP悪化、特機は中国市場が監視カメラ低下。

 

 2016年見通しは、売上750億円、OP52億円、NP34億円、写真が売上578億円、OP62億円は新製品4種投入期待、レンズは売上31億円、OP1億円、コンパクトもビデオ向けも縮小。特機は売上141億円、OP17億円。

 

 中計での2018年の見通しは、売上920億円、OP86億円は、前回の2017年度目標売上950億円、OP95億円を下回る。写真の売上665億円、レンズ34億円、特機221億円は、監視カメラ166億円、クルマ27億円。ドローン向けは期待だが、レンズ向けと特機の両方で関係しているようで、詳細は不明で、今後は、レンズと特機のセグメントを見直すようだ。