2016年3月29日 シャープの業績報道~日経新聞はOP赤字900億円、NP2000億円

 

日経報道によると、シャープの今期の業績は、OPが従来予想100億円の黒字から赤字900億円、最終損益は非開示から2000億円の赤字になる模様。報道によると、偶発債務の一部以外にも在庫評価損の処理を求めている模様。1-3月のTV奨励金も引き当てるようだ。シャープ側も、下方修正を検討していることを開示した。

 

なお、先日326日の日経報道「出資が4890億円から1000億円減額、優先株買い取り延期、保証金1000億円の速やかな支払い、メインバンクの3000億円規模の融資、月末の5100億円の返済期限の協調融資」については、両社とも「決まった事実はない」と開示している。

 

 これまでも、OPは数百億円の赤字、最終赤字は20003000億円とコメントしてきたので違和感はないが、偶発債務を全部織り込む悲観シナリオの場合は、それ以上の最終赤字の可能性もあると考えていたので、偶発債務は一部に留まった可能性がある。

 

 この2000億円という数字通りで、増資等が無ければ、3月末のB/Sは、12月末純資産1600億円、1-3月累計赤字1083億円から単純計算では、純資産は600億円となり危うい。債務超過となる赤字額は2600億円以上である。

 

 偶発債務の中身は不明だが、鴻海は、ポリシリコンの評価損や堺の残りの部分の減損、計800億円程度を織り込むべきだと主張している可能性もあろう。また、12月末の液晶パネルの1300億円の在庫の中で、500億円程度の評価損も厳しめに織り込むことを要求されている可能性もあろう。

 

 以上を考えれば、実態は、3月末の純資産は、プラスマイナス500億円である。加えて、包括利益があり、為替調整勘定と不明であり、月末でないとわからないが、最近の円高、マイナス金利によるPBO悪化や株安だと楽観はできない。ただ、鴻海が、それまでに保証金1000億円を支払い、それを資本に振替か、P/Lで特別利益とできれば、厳しく資産評価をしても、債務超過が免れることになる。

 

 大筋は合意との話は、この辺りの会計処理を巡っての可能性がありそうだ。