2016年4月7日 厳しさ増す2016年度上期業績

 

各社は3月末も締まり、P/Lの処理からB/Sチェック、更に、今期業績見通しについて精査しているところだろう。

 

3月末は、OPも下ブレ傾向であったが、それ以上に、NPB/Sに反映される包括利益は厳しいはずだ。商社の決算にもあるように、特損処理や、東芝会計不正事件の反省で、この機に思い切って膿を出そう傾向も、企業側、監査法人側、双方に強いはずだ。さらに、円高による為替調整勘定悪化、マイナス金利導入によるPBO悪化、株安による年金資産悪化もある。簡単な試算でも自己資本は1-2ポイント悪化するだろう。新年度からのIFRS導入も、その膿出しを加速化しよう。

 

電機関連は上期のOP半減、通期も二桁減

 

 2016年度は、四季報やコンセンサスは、増益見通しがまだ多いようだが、普通に考えれば減益になるはずだ。電機(産エレ、民エレ、電子部品、精密、装置)については、営業利益は、10%以上の減益だろうし、特に上期は、半減くらいではないか。

進む円高105円も、スマホは台数マイナス、iPhone20%減の1.8億台も

 

為替も既に110円を切り、想定レートとしては、105円のところも多いだろう。また、円高に敏感な自動車産業も投資抑制をする可能性が高い。IT投資も抑制も出てこよう。

 

スマホも、全体では台数増加は難しく、横這いかマイナスだろうし、iPhoneも、2015年の2.3億台に対し、2億台を切り、20%減の1.8億台程度の可能性が高いだろう。NANDCMOSセンサー、パネル等デバイスの調整は6月までは続き、「7」向け次第だが夏までは不透明感が強い。

 

新中計の見せ方

 

各社とも厳しい上期、通期を、新中計でどう期待感を持たすかに腐心しているだろう。その併せ技で業績を見たい。2016年度は、2020年に向けた準備、先行投資、構造転換を見極める年である。