2016年4月26日 東芝、業績修正、TMSC売却と割引率前提変更でWEC減損、峠は越したか

 

既に日経新聞その他で観測記事が出ていたが、2614時に正式に業績を修正、15~16時、マスコミと合同の説明会、室町社長、志賀副社長、平田CFOが出席、室町社長がプレゼン、質疑対応は分担。

 

なお、マスコミの関心はやや薄れ、三菱自工問題に移ったのか、TVクルーや、カメラは少なかった。

 

業績修正

 

業績修正は、売上6.25.5兆円、OP赤字43006900億円、NP赤字71004700億円。売上減はTMSCや家電事業の売却で非継続事業となったため、OPは原子力の暖簾減損2600億円等。NPでは、ヘルスケア売却益3900億円や家電事業赤字300億円等。これ以外にもリストラもあるようだ。また、一部のマスコミ(http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160419-00089840-diamond-bus_alで、TMSC売却スキームが問題だという指摘もあったが、大丈夫だったようだ。

 

この結果、B/Sは、株主資本は1500(2.6%)3000億円(5.5%)、ネットDebt1.45兆円→4900億円で、ネットDEレシオ967%163%。包括利益減800億円は、為替調整勘定で、割引率変更(現状1.1%)によるPBO悪化等は大きくなかった。もちろん、まだ危険水域だが峠は越したか。中期では自己資本比率30%を目指すとした。

 

 富士通やVAIOとのPC統合の白紙報道については残念だとしながらも粘り強く交渉しメドをつけたいとした。なお、PCについては既に赤字は脱した模様。半導体市況については底を脱し、3D-NANDなど期待が持てそうだ。他方、液化天然ガスについて不安視する質問もあった。原発は堅調。

 

社長人事にはついては、指名委員会で、特設注意銘柄である中で社長交代が問題ないか、も含め議論中であり、連休明けに明らかになるとのコメント。詳細なセグメント開示などは511-12日前後の発表時に明らかになりそう。

 

WEC減損は割引率のみ

 

 今回のWEC減損は、東芝本体の財務悪化による格付け低下で資金調達リスクが増大し、割引率を9.5%から11%に変更したためで、原発の受注計画など、足元は好調、ファンダメンタルズは不変である。既に、格付け低下はあったのでは、というタイミングに関しては、年度の減損判定テストは、買収した当時から10月にしており問題はない。

 

今回、WECだけでなく、サウステキサスプロジェクトの残り300億円も減損し、これでゼロとなり、スキャナー原発も、CB&I買収で建設コストを一括で織り込めるようになった。WECの株式についても、評価を下げ、その分、単独業績には影響するが、株価が下がったことで割安感が生まれ、以前から懸案だった株主を増やせる可能性が増えたことはプラスだろう。

 

長期事業での割引率の恐怖

 

ただ、1.5%を変化させるだけで、2600億円ものインパクトがある割引率について、改めて考えさせられる。まず、世界の原発業者の間では、割引率のコンセンサスはないようだ。

 

なお、今回のWECの減損で、昨年の今頃からマスコミで噂が当たったという指摘があるが、全くの誤解である。今回の減損が不正会計あるいは、明らかな業績不振、楽観的すぎる見通しがあって、それを下げたのなら、その指摘も妥当だが、あくまで割引率の変更であることを強調しておきたい。