4月28日17時~18時で決算説明会、塚野CFOがプレゼン、磯部氏が補足、司会はIR佐藤氏。決算で「ビジネスモデル改革」がどうなるかも注目点であったが、それよりも、サプライズは、ニフティのTOBである。
なぜニフティTOBの件がプレゼン資料や説明に無かったのか
当然ながら、その説明があるかと思ったら、資料にもなく、プレゼンでも触れられなかったので質問したが、これも「ビジネスモデル改革」の一貫だそうだ。
このニフティTOBの件は、白紙となった東芝やVAIOとのPC統合とも、その背景にあってVAIOやNECビッグローブを傘下に持つPEファンドの日本産業パートナーズは、以前、ニフティ買収で名が出ただけに、関係がありそうでそこも確認したかったが時間切れとなった。
ニフティは富士通長年の懸案事項
ニフティの扱いは、過去、富士通にとって社長のクビがとんだほどの重大な懸案事項である。既に市場が成熟化し、ITバブル崩壊で厳しかった2002年頃はソニーへの売却が報道され、2009年9月の突然の野副氏の社長退任の背景にはニフティ売却を巡る意見の対立があったと言われた。さらに、2014年には日本産業パートナーズへの売却報道もあった。
改革大芝居は四幕その一幕目がニフティ、また今回の改革は歴史上3度目の大改革
塚野CFOは、今回のニフティの件は、今回のビジネスモデル改革の計4幕の第一幕だとした。ということは、費用400億円をかけた昨年からの国内NW子会社やドイツの再編は、前座だということだ。ならば、今回のビジネスモデル改革は、相当大きく、時間をかけるものではないか、と思った。塚野CFOは同時に、今回の改革は、富士通の歴史上、70年代後半からの、山本卓眞、池田氏らによる交換機からメインフレーム参入、90年代後半の秋草氏らによるメインフレームからソフト・SIへの転換に次ぐ、第三の変革であり、SI・ハードからクラウド等への転換だと位置づけた。これは、いわば、IBMコンプレックスの卒業かもしれない。
補足すると、こうした大きな変革期には、副産物も出た。
数千億円規模?
であれば、アナリスト等のコンセンサスとなっている1000億円規模の話ではなく、もっと規模の大きい話なのではないか。
穿った見方をすると
穿った見方かもしれないが、もともとは、PCやケータイ、デバイスはもちろん、5年後にはレガシーとなるSIや、NWハードも売却、大きく構造を変えようとしていたのではないか。ゆえに、なかなか時間がかかり、一度に一幕ではなく、全四幕となったのだろう。
再編を断行すべし
であれば、2020年までに、やはり、大きな構造改革を断行すべきだろう。
決算は何ともいえないがITはまだ堅調
決算は、2015年度は売上4.7兆円、OP1206億円、NP867億円は、売上で607億円、OPで93億円下ブレだが、円高による目減りと、北米減損による。OP内のビジネスモデル改革コストは415億円であり、欧州系で330億円、NWで50億円、ユビキタス40億円。2016年度は、売上4.6兆円、OP1200億円、うちビジネスモデル改革コスト450億円、NP850億円。
IT景況感は、円高や株安でIT投資マインドが低下と懸念したが、まずまず。また、マイナンバーは多忙、2015年で300億円規模。