2016年6月26日 アベノミクスの終わりか、リーマンの再来か~始まるアンチ・インターナショナリズム

 

大方の予想を裏切って、英国がEU離脱というショックで、日経平均は、リーマンショックを上回る下げ幅、大証は先物サーキットブレーカー発動、為替は99円まで円高となった。

 

リーマンショック以上?

 

運用時代、リーマンショックや、むしろ、その1年前の8月の大幅下落、先物が寄らなかった事態、震災の下げを思い出す。運用の現場の方は大変で寿命を縮め精神を痛めた方も多いだろう。これで、かなり損をした投資家、金融機関もおり、総会後、配当取りもふくめ、大変だろう。GPIF10兆円の損、日銀ETF1兆円以上の損失の可能性もあろう。6月決算企業は評価損も含め厳しいだろう。

波乱は予想されたので、おそらく、ボラをロングにして、指数をショートしていただろう。6月は、もともと、株主総会、なかでも、シャープや東芝などは何が起こるか一抹の不安もあり、選挙もあり、あまりに多くのリスクのあるイベントが多かった上、マイナス金利という異常事態が続き、最近、パナマ文書、オリンピック賄賂問題、消費税延期、さらに舛添問題まで出てきていた。北朝鮮も不気味である。ソロス復帰もあり、ヘッジファンドなどは大きくポジションをとっていた可能性がある。

 

どう見るか、必ずしもマイナスばかりではない

 

 本来は、こうしたマクロの専門家ではないが、運用時代は、こうしたマクロも読まなければならず、また、この歴史的イベントを無視することはできないだろう。多くの専門家の見方が外れたが、今、またそうした専門家の多くは、今後の先行きにネガティブだが、必ずしもそうではないだろう。予想が外れたように専門家の今後の見方も外れるだろう。それほど、歴史的に知恵も持つ大英帝国の大衆が馬鹿だとは思えない。

 離脱の場合は、リーマン並みとの指摘もあり、奇しくも伊勢志摩サミットで馬鹿にされていた安倍総理の読みが当たった。これは偶然だという意見もあろうが、一見関係ない、ユーロ離脱、米大領領トランプ人気、日本の消費税延長、マイナス金利、パナマ文書、ガバナンスコード、企業の粉飾など不祥事、舛添問題、東京五輪賄賂問題、などは、水面下で関係しているだろう。

 

同期性同時性の背景

 

それは、一つの大元の変化が、形を変えて、多少タイムラグをもって、いろいろ形を変えて析出しているのか、別々の変化が、互いに相互作用を及ぼし、再帰性、同時性を持つのかは不明である。

 

神の存在と決断

 

 今回でいえば、グローバル化、インターナショナル化、フラット化、国家や民族の歴史や文化などを無視した人工的な統一が、限界であり、これらの試みは、多少のある小さな領域(時間的空間的)での極大値であっても最大値から程遠かったことだろう。あるいは、国際的公的機関への不信であろう。

 

年金基金

 

 こうした世界観が正しいかどうかは不明だが、似たような構造は、フラクタル的かもしれず、随所に見ることはできる。一番、近いのは年金基金であり、ファンド時代に驚いた。ここ数ヶ月で起こった多くの事象が、同根であり、それが、例えば、本来は泡沫候補だったはずのトランプを巨大な偶像としているのだろう。他方、パナマ文書や舛添問題を大きくし、名門企業の不祥事を暴き出し晒す。それをマスコミもネットの存在で、より同期性類似性が拡大している。

 

アベノミクス崩壊か

 

 アベノミクスについては、デフレ脱却、3.11後の景気刺激としては、2012年、あるいは2013年くらいまでは良かったと思う。しかし、その後も、金融緩和が常態化し、いわば、病人のカンフル剤が慢性化し、依存症になってしまったのは、どうかと思う。しかも、これは、日本だけでなく、世界中が同様であり、余計に質が悪く、一国だけ、辞めたくでも辞められないような事態である。

 

日経平均が2万円となった2015410日にコメントを書いているが、この上昇は官製相場あるいは池の中の鯨(GPIF3共済など)のせい、つまり需給によるものだという見方をとっている。

 

http://www.circle-cross.com/2015/04/11/2015410-日経平均2万円を祝って-株式需給とdram需給/