2016年6月28日 日立の研究開発インフォメーションミーティング~今年はIOTとAI

 

恒例の、また、毎年長年楽しみにしている日立の研究開発インフォメーションミーティングが62814:0018:30中央研究所で開催された。プレゼンは、CTOの鈴木氏、Mr.AIとして脚光を浴びている矢野氏、昨年も登場の鹿志村女史、基礎研究センタ長の山田氏。その後、展示会、質疑、懇親会。

 

昨年は組織大変革とオープンイノベーションの中で顧客協創、今年はAIIOT

 

 昨年は、激震サプライズの「中研」解体の組織大変革、顧客協創オープンイノベーションがテーマだったが、今年は、顧客協創の加速や話題のAIIOTが中心。IRデーでも注目されたLUMADAの実例や、IRデーでの全社戦略との説明会の親和性もよく資料も非常に分かり易かった。

 

R&Dが技術だけでなくビジネスでも全社を先導する時代

 

日立の長い歴史でも、全社戦略とR&Dが一体感があり、かつ、R&Dが先導している珍しいパターンに見えたAIIOTなどR&Dの強さが確かに日立の強さに直結するように感じたのは私だけではないだろう。それが、電機業界のIOTやオープンイノベーションを象徴している動きかもしれない。

 

顧客協創が加速

 

鈴木氏と鹿志村氏の説明では、昨年来のオープンイノベーションや顧客協創の進展が実感できた。

 

日立LUMADAGEPredixと富士通MataArc/k5の差

 

まだ、十分に分かっていないが、日立のLUMADAGEPredix、富士通のMetaArc/k5の差は、階層的には下図のようであろう。ここで重要なのは、日立にせよ、富士通にせよ、顧客協創のメリット、WIN-WINの成果をどうプロフィットシェアリングするかだが、そこが展示で研究員と議論した印象や先日の富士通の説明会では弱い印象である。

 

日立のAIH」は汎用性が高いレベル2

 

矢野氏のプレゼンは、ロボットがAIにより(深層学習ではなく跳躍学習)、ブランコを上手にこげるようになるビデオや、「専門家」とAIが店舗管理で対決しAIが勝った例など説得力と自信に満ちていた。日立のAIは「H」といい、汎用性が特徴である。

 

なお不明なAIの数学的本質

 

質問では十分に分からなかったが、「H」も含めたAIが、①解の有無あるいは解にたどり着く収束性(収束時間)、②解が最大値か極大値かの判断(最適解の話題)、③過渡的現象、非定常現象への対応、④AIが普及した場合の競合、あるいは密結合の場合にどう考えるべきか、⑤オープンな系への対応である。

 

平時と非常時、繋いだ後と繋ぐ前、上位KPIと現場下位の生データ

 

これらは、いわば、戦場や災害では、想定できる。

 

ファンドのバックテスト

 

事前のシミュレーションや、現実でも、多くのAIツールなどが役立つことはわかるが、日立に限らず、まだまだ多くが、ファンドの世界でいう「バックテスト」の状況に留まっていることが多いようだ。

 

基礎研究やハードで研究でも着実な進展

 

 昨年も展示され注目していたイジング計算機も着実に進展していたことは嬉しい。まさに、非ノイマン、非ムーアであり、今年はFPGAで、実際の応用を試していた。

 

R&D費用などの話題

 

 日立のR&D費用は2016年度3500億円、5000名の人員だが、本体は3000名、子会社が2000名。IFRSでは、B/S計上もあるが、日立の場合は、全部、費用計上であるそうだ。