東芝の行方〜メモリ社も発足し再生の姿はクリアだが至る過程が混沌

 

330日の臨時株主総会で、東芝メモリ部門の分社化が決議され、41日に、東芝メモリ株式会社が発足した。

 

 株主総会資料によると、メモリ事業の2015年度売上は8456億円、OP1100億円の開示に加え、新たに資産の状況が開示されている。

 

2017224日時点で算出した20173月末に見込みの資産は、総資産7537億円、流動資産3109億円、固定資産4428億円、流動負債827億円、固定負債787億円、純資産6842億円となっている。

 

買収名乗り

 

メモリ社に関しては、各種報道では、米ブロードコム(実態はアバゴが旧ブロードコムを買収)、アマゾンや、アップルも名前が出ているようだ。中国や中国に近いとされる鴻海は厳しいだろうが、韓国や、米系でも、ブロードコムも、ファブレスであり、メモリがなく、相性が悪いだろう。無難なのは、WDTSMC、マイクロン、そして、ファンドだろう。現状では、以下の評価である。

 

 東芝の今後に有望な候補者は、金額が一歩足らず、他方、金額の多いところは、相性や今後が不安であり、銀行などは推すだろうが、微妙で、なかなか難しい。そこで、以前に、指摘したが、以下の2点を提案したい、

 ①100%売らなくてよい。60%程度で十分である。残40%以下を持ち分法適用なので、時価評価すれば、売るよりも、税前ベースで包括利益を通して株主資本である。ならば、全体の評価価値は2兆円でも、1.2兆円のところに売ればいい。

 ②メモリ社を、ファウンドリとファブレスに分ける。メモリも、そろそろ垂直統合ではないかもしれない。1兆円ずつなら、それぞれ、東芝にとって有望な会社が出せるだろう。

 当然、全株売る場合に比べ、金額は下がろうが、この二つの策を組合せれば、希望の会社を選べるはずだ。あと数か月あれば、練り直せ、メモリ社を、人的分割して、再度、入札すればよいだろう。

監査法人が難しい

 また、より混沌としているのは、監査法人の対応である。PWCが一旦認めた2016年度2Q以前の決算についても、疑問を出しており、411日が難しくなっている。http://jp.reuters.com/article/toshiba-result-delay-idJPKBN1722BN

 しかし、それならば、何故、新日本監査法人から引き継ぐ時に、議論が無かったのか不思議だ。この点は、当時、説明会で、聞き、引き継いだ以上は、それ以前に遡って修正はないと回答だった。