ソニーとパナソニック次期社長を予測する演習

 

「組織は戦略に従う」(チャンドラー)、「戦略は組織に従う」(アンソフ)というが、組織図を見れば戦略が見え、組織図を端的に表しているのが人事異動であり、その象徴が社長人事だろう。

 

業績予想は、為替やイレギュラーなマクロ変動に左右され、企業を理解していても、外れることも多いが、人事予想は、企業の戦略だけでなく、社長の定義やレジチマシー、文化風土まで理解していれば、かなり正しく予想できる。すなわち、アナリストにとってだけでなく、MOTを学ぶ者にとって、社長人事予想は企業理解のよい演習、ケーススタディとなろう。もちろん取引関係やライバル会社にとっても、重要な訓練になる。社長だけでなく、ボードメンバーそれぞれを予想し、各員の役割、また、そうした幹部と組織図を関連づけて説明できれば、かなり会社を理解できているといえよう。もちろん、敏腕記者のように夜討ち朝駆けによるリークではなく、有価証券報告書やアニュアルレポート等、人事異動発令など公開資料から根拠をもって予想しなければならない。

 

そこで、社長交替時期が近いのではないかとされる、ソニーとパナソニックの次期社長を予想する演習を行ってみた。