ジャパンディスプレイ(JDI)が、5月1日に2016年度業績を下方修正した。
売上8742→8844億円は上ブレだが、OP230→185億円、未開示だったNPは赤字317億円。3Qの説明会では、3月末に退任となった本間前会長から、最終黒字を目指すとのコメントがあったが、残念だ。これで3期連続最終赤字。
新製品立上げ遅れ、為替差損、繰税取崩
差引4Qは、OP80億円、NP赤字223億円。OP125→80億円と45億円の下ブレは、需要はまだ堅調だったようだが、新製品の立上遅れ、歩留まり改善に時間がかかったようだ。
年度末でかつ市況の転換点、新製品の立上げという重要なタイミングでのトップ交替は、疑問が残る。工場見学でも現場が頑張っているのに、これでは可哀想だ。
2017年3月22日 JDI茂原工場J1ライン見学会にみる開示姿勢とトップ交替報道
暗雲立ち込めるスマホ向けLCD
5月に入り、ディスプレイ市況は、TV向けはまだいいが、中小型は、OLEDの値下げとの闘いが始まっており、要注意である。
ディスプレイ市況は要注意、メモリはまだ強いが油断大敵 2017年 4月 10日
減損と資金難のリスクに対し、アップル取引条件変更、バックプレーンのファウンドリを急げ
当然、会社側も想定し、フルアクティブLCDや脱スマホ戦略を推進する。加えて、運転資金負担が少ない取引への変更や、バックプレーンのファウンドリを急ぐべきだ。
経産省INCJは東芝も大事だがJDIにも十分な配慮
経産省、INCJも、東芝問題も重要だが、同様にJDI問題は喫緊の課題である。自己資本比率は12月末に、INCJから750億円の資金投入もあって、36%まで回復だが、安心はできず、資金繰りにも配慮が必要だろう。
こういう状態で、CEO、CCO、CFOが一斉に交替(有賀氏は幸い役員で残る)、JOLEDトップの東入来氏以外は、人事も不明というのは問題であり、早急に体制を固めるべきだ。