全固体電池〜電池討論会予稿集などよりR&D動向を俯瞰する

 

2017年に入り、全固体電池が急速な盛り上がりを見せている。全固体電池は、高容量高密度の上、安全性が高く、急速充電が可能、寿命も優れ、広い温度範囲、形状やセル設計の自由度が高い。1213日には、トヨタとパナソニックが全固体電池の開発も含め協業を検討と発表、業界全体の再編にも波及しそうだ。TDKIoTセンサー向け全固体電池を来春にも量産するようだ。今回の盛り上がりのきっかけとなった東工大とトヨタの硫化物系と、村田や誘電などの酸化物系があり、特性や用途は異なる。最初のブログでのコメントは、201698日のiPhone7に関連し、下記のように記した。

 

「全固体リチウムイオン電池は、3月に東工大が発表した画期的なものであり、現状の数倍の性能、安全性に優れ、キャパシタ特性もあり(http://www.titech.ac.jp/news/2016/033800.html)、これで村田がソニーの電池(全固体電池のフレキ化でも進んでいた)を買収したほどである。信頼性、量産性や形状の自由度などは今後まだ先の検討だろうが、EVだけでなく、多くのスマホにも採用される可能性が出てきた。特に、サムスンのギャラクシーノート7の電池爆発の件もあり、アップルのロードマップにも入ってくる可能性もあり、村田の取組みなどから、2020年より早い可能性もあるかもしれない。これによって、筐体やCPUなど総合的な設計に影響を与えるかもしれない。」

 

201698 iPhone7発表2016 9 08 続きを読む

 

 その後は、村田、指月、太陽誘電、TDK、東芝、NEC、パナソニック、半導体エネルギー研究所などの説明会、CEATECに関連して、コメントしている。IR説明会でも、2016年は、セルサイドアナリストからは、電池といえば、EVLibが中心で、全固体については、唯一質問をしていた。

 

2016121日 電池討論会(1129日〜121)参加〜全体論2016 12 01 続きを読む

 

2016123 電池討論会(1129日〜121)参加〜個別編2016 12 03 続きを読む

 

全固体電池、トヨタが採用へ2017 7 29 続きを読む

 

 それが、2017年後半からは、説明会でも、パナソニック、GSユアサ、村田、TDKなどでも積極的に取り上げられ、アナリストからも質問が出るし、レポートなどでコメントも出るようになった。全固体電池については、日経エレクトロニクス誌が、2012年前後からフォロー、比較的早く、その有望性を示唆、20152月、20165月に特集記事を出している。

 

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/MAG/20150205/402627/

 

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/15/051300048/051300001/

 

 特に今回の大きなトリガーは、先述のブログでも、触れている20163月の東工大・トヨタの発表であり、ここで大きくトレンドが加速化された。

 

こうした背景の中、201612月の第57回電池討論会に参加したが、1500名と過去最高の参加者を集めている。発表者数は、LiBが多いが、聴衆の数では、全固体電池の企業発表が多かった。

 

58回電池討論会

 

 

ナショナルプロジェクト合同の公開セッション

RISING2プロジェクト

 

LIBTEC(技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター)

 

 

 

 

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