大学の経営と大学教授

 

大学教授となるまでは、認識しておらず、よく考えてみれば当然なのだが、1月から2月が、猛烈に忙しい。後期の授業の採点、ゼミ論文指導や審査、講義のFD対応。そして、新学期の入試対応、さらには、シラバス作成などが集中する。

 

しかも、新MOTの開設準備委員長(いわゆる研究科長だが、新年度からは、現在所属のイノベーション研究科が経営学研究科と合体、経営学研究科技術経営専攻となるため、研究科長ではなく、技術経営主任)となったため、理事長や学長・副学長(MOT担当)への報告、その他、学生募集、広報、シラバスなど教育制度、体制改革などマネージメントの仕事も多い。

 

 その中でも、新たな発見があって勉強になる。

 

第一は、論文の副査をしていると、学生の論文が主査の教授の個性や能力に、恐ろしい程、影響されるということが分かった。まさに、論文指導は、人間の指導でもあり、自らを律して努力しなければならない。

 

第二は、大学、特に、私学の文系学部などの経営は、勤勉でない学生と、留年生に依存しているのではないか、と考えるようになった。

 

これに対し、われわれ、MOTMBAは、多くは社会人たる学生の自己負担であり、あるいは、企業から期待されて派遣されており、コスト意識も、覚悟も違う。彼らは、学歴よりも、身に着ける、知識やノウハウなどの中身だから、学生は熱心だし、小数で濃い講義や指導をしなければならない。

 

優秀な人財を受入れ、知識だけでなく、ノウハウや見識を教え、共に考え、学生の人間の成長に寄与できるのは、誠に教授たる有り難い仕事だ。それ故に、教授は自身の金儲けや生活の糧ではなく、ボランティア、寄付のつもりで取り組む覚悟が不可欠だろう。