ファブレス半導体の本質は、金融・M&Aと半導体目利き=FinSemi

 

R&D型やIP・知財系も含め、ファブレス半導体業界について、日本と海外、特に、米を比較した。日本で売上規模最大は、ソシオネクストだが、米国と比べ、10倍どころか、二桁違う規模だ。日本で上位5社は数百億〜1000億円だが、米は数兆円規模だ。

 

これは、日本に、EMSや、ファウンドリが少なく(世界最大のEMSは鴻海の20兆円弱に対し、日本は、シークスやUMCエレの1000億円強、ファウンドリも同様)、小規模であることと裏腹でもる。

 

この背景としては、①IDM自前主義が、オープンイノベーションを阻害し、成長阻害であり、②政策や体制もあるのだろう。さらに、ファブレスや、知財系については、過去には、日本は、モノにはカネ払うが、コトにはカネ払わない、ソフトはタダという文化もあっただろう。

 

FinTechでなく、FinSemi

 

 それ以上に大きいのが、M&Aの規模と頻度だ。半導体業界、デバイス業界も含め、この数年、大型のM&Aが多いが、日本の村田、TDKNidec、ソフトバンク以外は、非常に希だ。それこそ、ブロードコムも、Qコムも、ARMも、急成長の中身は、M&Aであり、オーガニックな成長は少ない。米ファブレス半導体は、その本質は、ICデザイン・IPの目利きに優れたファンドだと認識した方が正しいだろう。IDMやファウンドリにとっての先端設備投資が、ファブレスにとっては、M&A投資だ。つまり、ファブレス半導体とは、金融・M&Aと半導体の掛け算、Fin×Semiだろう。