第37回かわさき科学技術サロンに参加〜安西祐一郎先生による「日本のAI技術戦略と未来」

 

川崎市コンベンションホールで、71117時半-21時位に開催された、「かわさき科学技術サロン」に参加した。このサロンは、研究所が多い川崎市の周辺で活動中の研究者技術者の交流の場である。http://ks-salon.com/ 主催は川崎市と先端技術産業戦略推進機構。今回は37回目で、年3回開催され、うち1回は企業訪問。第29回目の日本電産中央モーター基礎技術研究所訪問から参加している。

 

今回は、安西裕一郎先生(独立行政法人日本学術振興会顧問・学術情報分析センター所長 同振興会前理事長)による「日本のAI技術戦略とAIの未来」である。AIに関しては、第31回の国立情報科学研究所(NII)所長、東大生産技術研究所教授の喜連川優先生による「ビッグデータのインパクト~ビッグデータはAIの食糧、IOTはビッグデータの生成源」以来。

 

17時半から川崎市長の福田紀彦氏、世話人代表で前東京理科大学長の藤嶋昭先生から挨拶、1740分より講演、質疑であった。広いホールだったが満員。その後、隣室で、立食パーティー。

 

 安西先生は、御自身がAIや認知科学の研究者であり、また、教育者、科学技術行政にも、関わっておられるが、90年代、野村総研時代に、勉強会で何度もお世話になった。当時から、鋭く切れ味が良かったが、20年以上たった今日も全く変わらなかった。

 

AI戦略を巡る背景

 

 日本のAI戦略については、2016年に内閣府で決まったの第5期科学技術基本計画がベースになっているそうだ。http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/sympo1610/kichou.pdf

AIイノベーションとは

 さらに、AI人財という場合、データやプログラムの基礎を学ぶことは重要だが、それ以上に、AIで新しいビジネスを起す能力、問題発見能力がそれ以上に不可欠、その意味では、AIは宇宙開発や原子力などの巨額な予算がいる政府がやるような重い技術戦略ではなく、民間、特にベンチャーが担う軽い技術戦略という指摘は、非常に鋭く、日頃から理科大MOTの講義でも強調しており、同感である。

 

ダボス会議メンバーの予測

 

資料にある20159月のダボス会議のメンバーによる2025年技術予測(抜粋)は大変興味深かった。