アルバックの決算説明会と新中計

 

8910-11時で開催の決算説明会に参加し質問もした。司会は梅田氏、プレゼンは岩下社長、質疑対応は、R&Dの齋藤氏、財務の青木氏。新中計の2022年の目標数値も発表、質問は足元のFPD動向と中計についての件が多かった。いつも乍ら配布される技術マガジンが大変参考になる。

 

業績は3年連続最高益

 

業績2018/6月期は、受注26502430億円、売上25502493億円、OP355353億円、NP359億円。3年連続でピーク更新。

 

受注は4QTV向け大型LCD装置受注の期ズレがあり、下ブレだが、既に1Qに落札。NPが多いが繰延税金資産計上59億円あり税金負担が少なかったため。B/S上の繰延税金資産増額は無いが負債側と相殺表示が理由。なお、B/Sで有価証券が大幅増は上場した株式を時価評価にしたため。

 

今期業績は、受注2600億円、売上2550億円、OP365億円、NP255億円。これは、2019年度の前中計の数字(売上2500億円、OP350億円)を前倒し達成。

 

中計では数十年に一度の機会をキャッチ

 

 中計に際し、業界環境について、5G3要素の中で、クラウドコンピューティング、エッジコンピューティング、多数のセンサーが広がる。その中で、FPDや半導体だけでなく、電子部品や、材料など広範な分野で、製造装置が不可欠になるというのは、その通りだろう。

 

成長戦略では、①メモリだけでなく、ロジック、②5G向け中心にセンサーなど電子部品、③大型TVOLED、④コンポーネント事業など、⑤中国、である。スマホも、現在は成長鈍化だが、ディスプレイでは、フォーダブルやローラブルもあり、多様な成長がある。

 

 2022年度の目標は、売上3000億円、OPM16%。内訳は不変だが、グラフでは、FPD1000億円強は前回並み、前回に比べ、半導体やコンポーネントが大きく上方修正されてそう。

 

R&Dの実態を業界で横比較できる開示を

 

 こうした成長、イノベーションに向けて重要なのは、R&Dだが、同社では、2017年度83億円、2018年度97億円、売上比4-5%である。これは、SPE業界で、TELAMTで開示されている10%以上と比べて引く過ぎ、違和感があるが定義が異なるようだ。R&D数字を開示している以上は、外部から同類の基準で判断できるように、せめて同一業界では統一してほしい。

 

FPD受注

 

 FPD受注/売上は、2017年度930/1085億円、2018年度計画1060/1050億円だが、OLED関係は、それぞれ40%程度の模様。

 

前回は50%との可能性も示唆されていたが、スマホ不振もあり、やや調整か。ただ、中期ではフォーダブル等、自信はあるが、材料開発などが鍵だと示唆。

 

半導体受注

 韓国向けではNANDなどのプッシュアウトもあり、やや弱い。DRAMも前倒しがあった昨年ほどではない。しかし。PcRAMなどが予想外に強く、カバーするだろう。