クルマ産業の経営重心®は、CASE化で右上、広さは拡大

 

CASE化でクルマ産業の経営重心®は、右上へシフト、これに伴い、広さも拡大する。クルマ産業は、市場規模は1億台前後、車検もあり買換えは6-7年であり、ジャパンストライクゾーンの上限にある。今後のEV化だけでも、右上へシフトするが、自動化、コネクテッド化、シェアリング、そして、MaaSシフトで、一層、その傾向は強まり、ジャパンストライクゾーンを外れ、ソフトバンクも含め、GAFAや、サムスンや台湾が強いゾーンに近づく。これは、日本のクルマメーカーにとって競争力低下リスクだ。

 

 

モノ作りの変化もより短サイクル

 

 モノ作りでは、かつては、クルマ産業は、すり合わせを重視し、ウォターフォールモデルにより、車両、エンジン、部品毎に設計、試作などを繰り返していたが、これでは、経営重心®サイクル短期化や、米IT系のサイクルに追いつかない。

 

そこで、既に、PC業界等で導入されているモデルベース開発(MBD)の導入が進んでいるようであり、プログレステクノロジーズ、アザバ、エクスモーション等のスタートアップが、ケーレツを超えて、活躍しているようだ。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35601690Q8A920C1FFR000/

 

販社やリースも対応

 

 販社も大きく影響を受ける。トヨタでは、シェアリングエコノミーに対応、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店と、車種別・顧客別にすみ分けていたチャネルを見直し、5000ある全店で同じ車種全車販売へ転換するようだ。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO35780260W8A920C1MM8000/

 

併せて、試乗車4万台をカーシャアリングに生かす。国内の新車販売が長期低落の中で、このチャネル資産を活用する。

 

 このシェアリングエコノミーに刺激され、リース各社も、購入とシェアリングの間隙をつき、2015年から20183月までで、15万台から25万台に増加(日本自動車リース協会)したようだ。矢野経済では、2022年度に93万台へ達すると予想。シェアリングでは、この5年で3.3倍の2.9万台(交通エコロジー・モビリティ財団)。シェアリングでは、価格は月1000円程度と安く、維持も手軽だが、毎日の予約や、チャイルドシート取り付けなどが面倒であるのに対し、リースは月1万円だが5年の期間であり、使い勝手はいいだろう。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO35864660Y8A920C1NN1000/

 

クルマの販社がシェアリングエコノミー対応を進め、車検制度なども変化すれば、リース会社も、中途半端になりかねない。クルマメーカーが、モビリティキャリア化すれば、こうしたリースも手掛けるだろう。

 

 経営重心®の変化は、チャネルの変化、周辺業界の再編も促す。