なぜ、GAFAは独占とイノベーションが両立するか(シュンペーター仮説)

イノベーションと市場の独占度に関して、これまで、異なる二つの学説がある。一つは、独占度合が高まるほど、企業規模もあり、余裕をもって、R&Dにリソースを投じられ、イノベーションが高まるというシュンペーター仮説、もう一つは、逆に、市場が独占的になり、企業がそこに安住する結果、イノベーションが起こりにくくなるAghion仮説がある。どちらが正しいのか、アカデミックの上でも、経営戦略、政策の上でも極めて興味深く、数多くの検証が、マクロ的計量的、ミクロのケーススタディ的なアプローチが為されているが、決着はついていない。RIETI - 競争とイノベーション:日本産業における逆U字の関係性

 さて、ここでは、巨大なプラットフォーマとなったGAFAがなぜ、競争法の対象になる程に、独占的であるのに、イノベーションを持続しているのか、あるいは、巨大になる程、その前提となるR&D(売上R&D費率)を上昇させているのか、について、記したい。