3Q決算(1月28日)は、プレゼンは磯部CFOから端的な説明はこれまで通り、IR開示も一層充実している。テクソリ部門での価値創造の2事業領域として、For Growth(DX、モダナイゼーション、クラウド、サイバー、コンサル、5G、等)とFor Stability(SI、保守、オンプレミス、レガシPF)に分けている。なお、今回は業績よりも、同時に発表された、富士通研の取り込み、SI系グループ会社の富士通Japanへの統合など組織改革、新任の専務/常務7名中女性3名、などが重要であろう。
決算動向
決算3Qは、OPで上ブレ50億円、ユビキタスとデバイスで半々、モバイル販社の譲渡益250億円あり。国内受注動向は、5G、ローカル5G等の公共・社会インフラ(官公庁やキヤリア)が好調、コロナ禍で地方自治体やヘルスケアが厳しそう。For Growthは構成比33%で累計4%増、For Stability同順67%、4%減だが、まだ後者が大きい。収益性の開示はなし。NWは5G基地局に加えバックボーン投資もあり、採算良く見えるが、過去の投資回収でもある。テレワーク推進などでコスト削減効果も。
通期業績は、売上3.61兆円は不変、OP2120→2370億円の250億円プラスは譲渡益、NP1600→1770億円はNPでは過去最高。CAPEX1100億円、Dep900億円はいいとして、R&Dは1200億円(売上比3.3%)。
組織再編
今回、感慨深いのは、グループ再編の中で、㈱富士通研究所の統合である。以前から、システム系の川崎研などは、統合すべきだと指摘していた上、既に、数年前の富士通研究所の説明会で大きな方向性は示唆され、特に、デバイスや材料中心の厚木研究所なども含め、既に人事異動も多いようであり、サプライズは無いが感慨深い。これで、独立して株式会社であった研究所であった、野村総研、本田技術研究所、そして、この富士通研究所も解体、統合された。
関澤氏が逝去
なお、富士通で90-98年社長であった関澤氏が1月20日逝去された。