円安と東西分裂の中でのハイテク産業

予想通り、ここまでは、円安が進行、145円も突破した。日銀の介入はあったが、なお、反転して、かつての110120円の水準に戻る気配はなく、多くのエコノミストも、現状追認となった。

 円安メリットが大きいのは、海外市場が中心の自動車、デバイス、製造装置等である。自動車に収める機械部品や下請けのハイテクは、海外向けならメリット大だが、国内の大手向けは、影響がなく、他方、直接、海外から材料などを調達しており、マイナスが大きい。それゆえ、自動車大手などが、円安メリットを受けている分は、下請けに還元するか、調達での円安デメリットを代りに受けるべきであろう。

 円安と大きな環境変化は、米中、東西対立であり、米による対中ハイテク規制強化である。もし、今後、市場が拡大する中国含めた国々に、デバイス、製造装置、計測、スパコンなど、を輸出できず、欧米だけになるなら、将来市場は半減する。B2Cは問題ないが、B2Bは打撃が大きい。