今、此処、を重視した政策を~工場と原子力

半導体に関して、だけでなく、多くの産業にとって、「最後で最大のチャンス」が到来している。最大のチャンスは、米中摩擦の中、国家安全保障視点で、米から日本への期待が高まっていることであり、最後という意味は、米からの期待の我慢や賞味期限、そして、エンジニアの年齢である。

半導体での日本への期待は、モノづくりであり、厳しいハイテク摩擦と、その後のJV等を経て、皮肉だが、理解された日本のモノづくりへの評価である。そして、それを実践していたのは、60歳以上のエンジニアである。グローバルで、工場立上げに関わり、現場をよく知る彼らが、あと5年、10年もすれば、完全に引退である。前工程だけでなく、実装後工程や、関連産業も同様である。

この40年で、大学の理工系学部学科の人気も大きく変化し、この20年は、ハード系、電気電子、機械、精密、原子力、資源、造船などは、専門分野によっては、かなり技術の継承が厳しくなっているのではないか。40年前から、既に、原子力などは、その危機にあったが、今は、それが限界に来ている。