世界デカップリングでの生産

好むと好まざるとに関わらず、コロナ禍、米中摩擦から地政学リスクが顕在化しており、世界のサプライチェーン構造は変わった。過去は、サプライチェーンが重視すべき条件は、単純なコスト、特に生産コストが第一であった。

しかし、今は、①国家安全保障の観点からハイテクは同盟国での調達ゆえ、閉じたサプライチェーン、②カーボンニュートラル、③この②や輸送コスト、遅延ロスを減らすため、サプライチェーンの動線や、TATを重視、ではないだろうか。

生産地については、縦軸に国家安全保障観点、横軸にバリューチェーンの上流から下流をとれば、いいだろう。機微技術と防衛、ハイテクは日米である。加えて、多品種少量で、国内が強い産業は、日本での一気通貫が好ましい。准ハイテクは、インドや東南アジア、それ以外は、どこでも、そして、東側諸国という構造になろう。中国で、工場を持ち、調達があり場合は、リスクがある。製品別に、部品点数、部材チェックして、サプライチェーンマップを作成し、各社あるいは業界で対応すべきだ。

ユーザーに、日本に投資させ、JVで工場を創り、そこから、輸出する手もあるだろう。中国からの、工場出戻りもあるが、海外、米などからの出戻りもあるだろう。

 

そこで、問題は円安でドルの人件費が安くなり、海外の途上国からの人間を使うのが難しくなる。そこは自動化を進めるしかない。