価値創造の中での価格弾力性~狩野モデルから~メモリとロジックとアナログパワー

インフレ、値上げ、賃上げが話題になり、価値創造をより意識しなければならない。その意味で、Wegde11月号のWEDGE_SPECIAL_REPORT「価値を売る経営で 安いニッポンから抜け出せ」は興味深い特集だ。Wedge(ウェッジ) 202211月号 (発売日20221020) | 雑誌/電子書籍/定期購読の予約はFujisan

内容は、PART 1 「物価と賃金」を考える~デフレ脱却への“追い風”値上げと賃上げの好循環生み出せby渡辺 努(東京大学大学院経済学研究科 教授)、REPORT 価値の「つくり方」~流通側が握る家電の価格決定権メーカーは取り戻せるかby多賀一晃(生活家電.com主宰)、地域の有志が試行錯誤で学ぶ「ブランド」の育て方by編集部、PART 2 「脱価格戦略」を考える、2-1:値決めは企業経営の命 経営者よ、「価格」ばかりで戦うなby坂本光司(人を大切にする経営学会会長)、2-2:売り上げや利益で測れない「強いブランド」をつくる価値by得能摩利子(三菱マテリアル社外取締役・フェラガモジャパン元CEO)、REPORT 価値の「伝え方」「おいしいものだけを売る」 信念貫く“奇跡のスーパー”By編集部、世の中にない商品をつくれば価格は自分で決められるby編集部、PART 3「消費行動」を考える~変化を続ける人々の価値観 社会を動かす「応援消費」とはby水越康介(東京都立大学経済経営学部教授)、REPORT 価値の「売り方」~ECサイトを超える価値 百貨店「外商」の新潮流by編集部、「買いもの上手」がデフレ時代脱却のカギになるby編集部、PART 4「政策」を考える~政府主導の政策で「ヒト・モノ・カネ」を動かし賃上げをby滝田洋一(日本経済新聞社特任編集委員)である。

マクロ経済の前提などの違和感

さて、マクロ経済学によると、縦軸を価格、横軸を数量とした場合、需要曲線は、右肩下がり、供給曲線は右肩上がり、だと教えるが、以前から違和感を持っていた。価格を下げても、「お腹一杯」になれば、需要は増えないだろう

 

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実際には、こうした価格決定は、ミクロ経済、行動経済学などの領域になるが、いずれにせよ、マクロ経済は、役に立たないどころか、この最初の「理論」により、「値下げをすれば、需要が増える」と信じ、それは幸之助の「水道哲学」とも似通っており、行動を決める背景になるなら、有害な理論ではないか。

 

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マクロ経済理論の呪縛から逃れ、狩野モデル的な発想から、価値を再考し、価格設定モデルの中で、戦略を考え直すべき時がきた。自身の自社製品の価値を見極め、訴求しなければならない。

 

半導体の価値創造