キオクシアWD統合破談~WDは独自に半導体を切り離し

キオクシア・WDの統合が破談となったようだ。NANDフラッシュメモリ不況で財務的にも苦しい中で、メインバンクや両社だけでなく、各国政府の努力も空しく、SKハイニクスの反対が最後まで強かったようだ。キオクシア・WD2年越しの交渉白紙 根回しで誤算 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 日経報道では2年越し交渉、根回しで誤算とあるが、2年どころか5年前からであり、誤算でなく、SKハイニクスにある。これで、日韓関係だけでなく米中も含めて、再び摩擦が激化するリスクがあるだろう。これで、SKハイニクスが公益も考えて、多少、譲歩すれば、色々な可能性があったが、残念だ。

 WDとしては半導体をカーブアウトするしかなく、どこに売るかが鍵になる。サムスンやSKハイニクスであれば、公取が難しいだろうし、NANDで韓国が圧倒的になる。そもそも、かつてのサンディスクをサムスンが買収しようとし、その対応もあり、WDが買収した可能性もあるからだ。また、WDを紫光集団が買収しようとして米政府が待ったをかけた。こうした経緯からは、今後なお試行錯誤があり、それを半導体市況の中で考えなければならない。