理工系でも多くの分野は、ある程度鍛えれば、直観でもわかる。力学、電磁気、熱力学、光学、数学などもそうだ。それゆえ、長沼伸一郎氏の直観シリーズがある。経営や政治経済でも直観は重要であろう。直観だけでなく、直感、直勘もあるが、直観が「知識や経験を積んだ後の直接的な閃き」、直感は「単なる思いつき」で勘と近いようだ。なお、辞書には直勘という言葉は無いようだ。
理工系も量子になってくると、直観だけでは難しくなる。数学でも複素数くらいなら、二次元平面であり、直観でわかるが、三次元になると、いわゆる四元数となり、定義にそって計算する必要がある。厳密な数学で微視的になったりすると尚更だ。田口氏の「AIは人類を上回る知能を持つか」は、またの機会にコメントしたい(非常に深い考察で結論その他は同意見だが頭をぶん殴れたような読後感)が、氏によると「古典力学はまがいもの」という。そうであれば、長沼氏の直観シリーズ等で解ったつもりになっていた数学や物理学の理解は何だったのかと思う。
そういう中で、常識や良識、直観では分からないのが、核時代の国際関係のよういだ。千々和泰明氏の「世界の力関係がわかる本―帝国・大戦・核抑止 (ちくまプリマー新書2025年5月) は、囚人のジレンマ等を説明する行動経済学の延長で核抑止、ノーベル賞受賞者である米の経済学者トマス・シェリングによる「相互確証破壊」理論がまさにそうだ。戦争終結のジレンマ、出口戦略の難しさが改めて納得する。世界の力関係がわかる本 ――帝国・大戦・核抑止 (ちくまプリマー新書 492) | 千々和 泰明 |本 | 通販 | Amazon
