会社でも役所でも、組織があるなら、人事の重要性は言わずもがなであるにもかかわらず、高校や大学で体系的に学ぶ機会は意外にも少ない。MBAでは組織の授業があり、人事もないわけではないが西洋流のマクロ経済学の応用である。そもそも、西洋と東洋で文化や制度も違う。理論を重視し、体系的に学ぶことを重視する大学の先生方も、理系や人文系は全て、おそらく多くの社会科学も、その機会が無いままに組織の長になって人事を動かしている。もちろん、会社も同様である。せいぜい、社会保険や勤労などのルールを人事部から研修で教わる程度であろう。あとは入社式の訓話で偉人の話題だろうか。人事部も多くは当然ながら自社の特別解だけであり、他社事例や一般解などは学ばないまま、マスコミのジョブ型やテレワーク、働き方改革などのバズワードに踊らされるいる場合も多いだろう。
そういう中で、理科大MOTでは企業側の強いニーズもあり、そういう社会ニーズに沿った科目を創設した。そこでは、リクルートの海老原先生を招き直近の人事論を紹介してもらった。また、西洋流の人事論だけでなく、東洋流の古典、貞観政要等も教えた。動物、昆虫等も含めた社会形成も参考にした。企業での有名事例の紹介も行った。東洋の古典はいまなお役所で貞観政要を重視されているが、他の古典は。どうだろか。木下氏が紹介している話題では「諫める」を紹介されている。「諫諍」の大切さと難しさである。中国には天子など目上の人に対する諫言を専門とする「諫議(かんぎ)大夫(たいふ)」あるいは「諫官」という官職まであったという。それとなく諫める「幾諫」、泣いて諫める「泣諫」、逆らって強く諫めるのを「直諫」、死んで諫めるのを「死諫」という。重い言葉である。最近は諫めず、クーデターを起こす場合が多いが違和感がある。 諫める 日本取引所グループ取締役会議長・木下康司 - 日本経済新聞
