以前から、適切なモデルと適切なデータが重要であり、モデルには適切な近似と、その限界を知ること、データは多い場合、取得し易い場合。そもそも、Nが難しい場合があり、それに合わせて、モデルというか分析手法を選ばないといけないと考えており、MOTの分析の授業でも教えてきた。目的や様々な学問により、モデルや、ロジックも様々であり、それらを適宜、俯瞰的に使いこなすことが、実践では重要である(アカデミアでは学問分野を超えた複数のアプローチを嫌う)。
そういう中で、まさに全く同じような考えを持つ著書に出会った。2025年9月に和訳、英語は2022年である。「数理モデルはなぜ現実世界を語れないのか:社会的な視点から科学的予測を考える (Escape from Model Land)2022」(エリカ・トンプソン (著), 塩原 通緒 (翻訳)2025年9月白揚社)である。
数理モデルはなぜ現実世界を語れないのか:社会的な視点から科学的予測を考える | エリカ・トンプソン, 塩原 通緒 |本 | 通販 | Amazon
著者は、英国の女性だが、最近、共鳴する著者は女性が多い。元々は大気モデルだが様々な分野に対象を広げている。モデルがいかに頻繁に誤用されているか、いかに使用されるべきかを論じ、すべてが仮説どおりに動く、現実世界とは乖離した「モデルランド」から、私たちは抜け出すことができるのか?という視点である。モデルは「メタファー」のようなもの、予測と革新、モデルとナラティブの関係、など。ここ数年、MOTゼミで議論してきたキーワードが並ぶ。特に、「定量化できるものは金銭化できる」は、価値転換、研究イノベーション学会でも発表した内容である。
