東芝とシャープの明暗

長年、電機業界をフォローしてきて、親しくお付き合いをさせて頂き、かつ2015頃から、苦難の道を歩んできたのが、東芝とシャープである。東芝は紆余曲折を経て、未上場、シャープは鴻海傘下となった。それが今、業績で明暗を分けている。

 東芝の2025年度上期は現在のメモリやメディカル無しでは、過去最高益を達成した。売上は対前年同期で横ばいだったが営業損益は同比約6割増、セグメント別にはデータセンター需要による送変電配電等のエネルギー、防衛事業等のインフラの好調に加え、HDD、エレベータ事業、デジタルソリューション等も増益。受注残は、インフラシステムの受注規模の増加に伴い前年同期比で増加。現行の開示を始めた2018年度以降、最高額を記録した。tpr2025q2.pdf

通期は開示ないが、営業利益で3000億円に肉薄するだろう。キオクシアは営業利益8000億円を超え、仮にメモリがあれば、営業利益1兆円は日立級である。総合電機の時価総額は日立やソニーが20兆円超え、NECや富士通も5兆円をこえて久しいが、東芝も10兆円はおろか20兆円に迫ることになる。上場廃止のタイミングが皮肉である。

シャープは一時、鴻海の経営体制のもと営業利益1000億円規模になったが、成長戦略が不明で、その後は低迷。堺SDPを巡っても混乱。ディスプレイ関係は赤字が続く。もはや液晶のシャープの影もない。インドのアダニGと液晶G10の国家プロジェクトは期待されたが、鴻海の意向もあり中止。テリーゴウはシャープへのリスペクトやディスプレイの思いもあったが、今はドライ。亀山第2工場も鴻海への譲渡が不成立となり、生産停止を決定。既存顧客の需要に応える先行生産、在庫確保を行ったうえで、20268月を目途に生産を停止予定でリストラ費用100億円である。SDPは、インド液晶工場への技術移転が不成立となり、事業終息を決定し、リストラ費用は22億円である。

JDIも赤字が続き、脱液晶であるが、なお苦戦が続く。韓国のサムスンも液晶は厳しく、台湾でも楽ではなく、中国の一人勝ちの情勢だ。

 

半導体は、国家プロジェクトもあり、復活が期待されるが、ディスプレイは終焉、その技術を角型RDLなどへ展開するのみだろう。シャープ等の技術陣の対応が必要だろう。