オープンイノベーションラボ施設の問題点

 色々な大学や研究機関で、オープンイノベーションラボ施設の建設が盛んだ。先端の装置などがあり、それを利用して学生が実験や研究をし、スタートアップが利用できるのは素晴らしいことだ。特に、国内で数える程しかないEUV露光装置や量子コンピュータなどはそうだろう。

 多くの施設では、機器の選定については、より広く、多くのユーザー(マーケティングしたわけではなく、一般なもの)に使ってもらうために、汎用的な装置になりがちであり、予算制約もあり、尖がったものは少ない。同じような装置群があちこちに同じように並んでいる。大学や産総研あたりが保有する多くの計測機器やクリーンルーム等は、そこそこの企業であれば、既に備えている。そういう施設を利用したいのはスタートアップくらいだろうか。

 また、大学側や公的機関としては、装置は綺麗に使い、改造はダメであるのが原則だ。しかし、切実なニーズは量産工場ではできない、特殊な環境、コンタミの影響など、いわば、装置群を過酷な環境で使いたいというニーズも強い。既存の装置のボタンを押して既存の使い方でデータを取るのではなく、独特の部品などを付加して特殊な条件を試してこそ、発見やイノベーションもあるのだ。

企業の研究だけでなく、大学の教育もそうである。将来、エンジニアや研究者になるためには、綺麗なカバーがある装置のボタンを操作するのでなく、カバーを外してメカニズムを見て、改良改造、修理してこそ、実力がつくのである。ボタン操作だけなら、オペレーターである。

研究も教育も、いわば、泥だらけで遊ぶようなものであり、綺麗な環境で一般的な手順で学ぶことだけでなく、改造分解、壊したり故障させたりすることが必要である。