戦略や政策に付いてこれるか

 戦略や政策やトップが立派であっても失敗する理由には、社員や国民の練度や民度の欠如である。戦史上で有名なのは、マリアナ沖海戦での小沢提督のアウトレンジ作戦であり、ミッドウェー海戦や、その後のソロモン海戦などで多くの熟練パイロットを失い、練度が不十分なパイロットを繰り出し、開戦劈頭の熟練パイロットを前提としたアウトレンジ作戦は難しかった。経営の中期経営計画でも立派だがトップや優秀な経営企画だけが緻密に前のめりで、現場が到底、ついてこれないのでは、という場合も多い。逆に、戦略や政策やトップが不十分でも、社員、特にミドルマネジメントが立派であれば、成功する場合も多い。

 新規事業立ち上げでも、肝心なのは一般社員や下請けも含め、計画や事業の遂行力である。新規事業が拡大して、既存事業部門や外部から人員を集めても、その分野の知識や文化(暗黙のルール)の理解や体得が十分でないと難しい。特に自動車関係に進出する場合には、QCDの中で独特の文化の体得が鍵であり、あるいは半導体なら業界知識よりもスピード感やリスクを取っていくとう文化を早急にメンバーが体得することが鍵である。そのためには、新規事業立ち上げに際し、新規事業に関わる全員の教育を1週間程度かけ中堅層以上だけでなく下請け社員も含め行う必要があるだろう。