イノベーションは個性をチームで生かせる組織の工夫~イノベーターズⅠⅡより

熊大の学部生にMOT入門的な授業をして、R&Dマネジメントに関する内容が意外と受けて驚いた。「小さな」「イノベーション」を体感してもらうため、複数の学部出身からなる混成チームで、ホワイトボードを使って、グループワークをさせ、発表会をさせていることが、いわば、野中郁次郎先生のSECIモデルの疑似体験であることも理解した学生も多かったようだ。レポートでは、教育学部の学生が、自身が将来、教師になる場合に、教育でのSECIモデルを導入したい、等は素晴らしい意見である。

 イノベーションが起きるプロセスのモデルとして、マスコミが喧伝する「一人の悲劇の天才による発明」とは実際は、かなり異なり、まさにSECIモデルに近いこと、また、「イノベーターズⅠⅡ」を紹介した。この本では、イノベーターには、理系と文系、科学と芸術の両方の素養がある人々が多く、多様な個性をチームで生かすことが重要であり、もちろん、リーダーシップや目利き、そして、資金調達も含めた組織マネジメントの重要性が詳述されている。DARPAなど産官学体制、ベル研、PARCなどの研究所の役割、ベンチャーキャピタル、スタンフォード大学の起業支援、ファイナンスも重要だ。イノベーションは様々な個人からなるチームの成果である。ノーベル賞などの名誉の前に数多くの無名有名の貢献がある。